正式名称は「フィフティ・フィフティ(50:50)」といい、1年ほど前にnewslimeさんが原案、命名したものが元となっています。コンセプトは簡単に言えば「ビートダウンとロックを融合し、いいとこどりをしたもの」。構築を一言で言うなら「ビートダウン構成に《レベル制限B地区》や《グラヴィティ・バインド-超重力の網-》を投入する」こと。どちらも一言で言うのは簡単ですが、それには緻密な構築と難しいプレイングが要求されてきます。
ビートダウンデッキは、モンスターで戦闘を行える高い攻撃力と、相手のカードをどんどん破壊することが出来る積極性が特徴。逆にモンスター以外での防御力の低さや、モンスターでの戦闘を封じられた際の攻撃手段の少なさなどが弱点と言われています。
それに対しロックデッキは、《レベル制限B地区》や《グラヴィティ・バインド-超重力の網-》のような優秀な永続魔法・罠カードを使った非常に高いモンスター戦に対する防御力と、相手の動きを封じる膠着を誘えるのが特徴。逆に永続魔法・罠が破壊された際のモンスターの脆さや、モンスターの攻撃力の低さなどが弱点です。
それらのいいところをとるということは、モンスターはビートダウンデッキのように強く、魔法・罠はロックデッキのような守備力を誇るということですね。つまり、ビートダウンできないときはロックデッキの面を、逆にロックできないときはビートダウンを、と状況・手札に応じてどちらのデッキにもなることができるということです。
まず自分の手札を眺めてください。その手札がビートダウンに適しているのか、ロックに適しているのかを見極めましょう。それによってプレイスタイルが変わってきます。たとえばレベル4アタッカーばかりが手札にあるのならば、《レベル制限B地区》は温存。レベル4アタッカーが減ってきたところで発動しましょう。《レベル制限B地区》を発動したのなら、自分のレベル4以下のモンスターも攻撃できません。しかし、いつ何時もモンスターで戦闘をしなければならないというわけではありません。《レベル制限B地区》などで場をわざと膠着させることで、自分の手札を整える時間を手に入れることができます。そして手札が整った時(これはつまり《レベル制限B地区》などを自分から解除できるカードを入れておく必要があります。相手の伏せカード対策もかねられる《大嵐》や《ハリケーン》《王宮のお触れ》などが使いやすいです)や、《レベル制限B地区》などを相手が破壊したときに一斉攻撃へと転じればよいのです。
しかし膠着している間に何もしないのはもったいないです。なのでその間はビートダウンの攻撃力にも打たれ負けしない《番兵ゴーレム》や《ステルスバード》、時間さえあれば何でもカードをサーチ出来る《タイムカプセル》などを投入して相手を妨害したり、自分の準備を早めたりするなどの工夫をしていきましょう。
このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。このカードが反転召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスター1体を持ち主の手札に戻す。
このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。このカードが反転召喚に成功した時、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。
デッキからカードを1枚選択し、裏側表示でゲームから除外する。発動後2回目の自分のスタンバイフェイズにこのカードを破壊し、除外されたカードを手札に加える。
緩急ある複雑な動きが再現できるのがフィフの大きな特徴です。とてもプレイングが難しい分、使い込める深い面白さがあるデッキです。
《突然変異》+《サウザンド・アイズ・サクリファイス》による膠着に加えて、それを解除できる《月読命》を入れた《突然変異》を中心にしたフィフデッキが新たなフィフの形として期待されています(実際にはフィフという名前ではなく、新たなカオス・ノーカオスの形として一般的になってきていますが)。こちらはモンスターである分、相手によって膠着状態を解除されやすいですし、自分から解除もしやすいのでより思い通りにゲームをコントロールする事ができるのが特徴です。
しかし従来の《レベル制限B地区》《グラヴィティ・バインド-超重力の網-》によるフィフの形は魔法・罠1枚で手軽に膠着状態を生み出す事ができるので、どちらのほうが強いのかという明確な答えは出ないだろうと思います。他には相手のみの攻撃を妨害する《光の護封壁》も強力です。自分の攻撃を止めずに、一方的な戦闘ができるようになります。ただし非常に高いライフコストが必要になるため、コレを使う場合は相手の除去から《光の護封壁》を守れる構築をする必要がありますね。
発動時1000の倍数のライフポイントを払う。払った数値以下の攻撃力を持つ相手モンスターは攻撃できない。
どれも守備力に長けたコンボやカードなので、自分のデッキは防御力が低いかもと感じたならフィフデッキに限らずどのデッキにも組み込めるカードたちだと思います。
基本的に弱点はないと言えます。もちろん、それはこのデッキが理想通りに動けばの話です。相手の状況次第では手も足も出ないこともあるでしょう。例えば《レベル制限B地区》でロック体勢に入ったところで《大嵐》を使われたり、逆にモンスターで攻撃する体勢に入ったときに《死のデッキ破壊ウイルス》を使われたり…など、的確にその場その場で対策を取られてしまうとフィフデッキは辛いです。