《ホルスの黒炎竜》

《ホルスの黒炎竜》デッキとは

「SOUL OF THE DUELIST」で登場したドラゴン族のホープ《ホルスの黒炎竜》シリーズをメインにして戦うデッキのことです。「レベル」システムを採用されたモンスターで、流れるように進化し、強くなっていく「モンスターを育てる」ような感覚がとても面白く、根強い人気を誇っているデッキジャンルです。

《ホルスの黒炎竜 LV4》

このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する限り、コントロールを変更する事ができない。このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地に送る事で「ホルスの黒炎竜LV6」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。

《ホルスの黒炎竜 LV6》

このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する限り、魔法の効果を受けない。このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地に送る事で「ホルスの黒炎竜LV8」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。

《ホルスの黒炎竜 LV8》

このカードは通常召喚できない。「ホルスの黒炎竜LV6」の効果でのみ特殊召喚できる。このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、魔法の発動と効果を無効にして破壊する事ができる。

2005-03~

3月1日の制限改定で受けた影響

ホルスデッキ自体の構築については、大きな変動はないと思います。しかし周囲の環境が大きく変動しました。まずカオスデッキを中心にほとんどのデッキで必須カードに近い投入率を誇っていた《異次元の女戦士》と《魔導サイエンティスト》が規制されたことで《ホルスの黒炎竜 LV8》の維持が非常に楽になりました。また《ホルスの黒炎竜 LV6》のレベルアップのために攻撃して《異次元の女戦士》を踏んでしまう、という場合も減りました。残された《同族感染ウィルス》は《我が身を盾に》で対策ができるので、《ホルスの黒炎竜》が総合的にモンスター効果で除去されにくくなったと言えるでしょう。

また、改定の影響で流行されると思われるアンデットデッキの《ピラミッド・タートル》や《スケープ・ゴート》を中心にしたデッキの「羊トークン」など、《ホルスの黒炎竜 LV4》で戦闘破壊できるカードが増えたのもホルスにいい影響をもたらしています。《ホルスの黒炎竜 LV4》からのスムーズなレベルアップ、そして《ホルスの黒炎竜 LV8》の制圧力の上昇と、今回の制限改定でホルスデッキは大幅に強化されたように思います。

《我が身を盾に》の必須化?

《異次元の女戦士》《魔導サイエンティスト》が消えたことにより、破壊以外の除去要素を持ったカードがかなり少なくなりました。そのため破壊を防ぐことの出来る《我が身を盾に》を入れておくだけで、《ホルスの黒炎竜》を場持ちが一気によくなることでしょう。今後ホルスデッキに《我が身を盾に》は是非入れておくべきカードだと考えています。もちろん、《D.D. アサイラント》や《アビス・ソルジャー》など、《ホルスの黒炎竜》の敵はまだまだ多く存在していますので、まだまだ油断は禁物ですが。

サンプルデッキ

《突然変異》で《竜魔人 キングドラグーン》召喚を狙うタイプ

モンスター / 18枚

  • 魔導戦士 ブレイカー
  • 同族感染ウィルス
  • 聖なる魔術師×2枚
  • 人造人間-サイコ・ショッカー
  • 可変機獣 ガンナードラゴン×3枚
  • ホルスの黒炎竜LV8
  • ホルスの黒炎竜LV6×3枚
  • ドル・ドラ
  • サファイアドラゴン×3枚
  • クリッター
  • キラー・スネーク

魔法 / 18枚

  • 突然変異×3枚
  • 天使の施し
  • 大嵐
  • 早すぎた埋葬
  • 洗脳-ブレインコントロール×2枚
  • 光の護封剣
  • 強欲な壺
  • 強奪
  • 我が身を盾に×2枚
  • スケープ・ゴート×3枚
  • サイクロン
  • いたずら好きな双子悪魔

罠 / 4枚

  • 王宮のお触れ×3枚
  • リビングデッドの呼び声

ドラゴン族中心タイプ

モンスター / 18枚

  • 魔導戦士 ブレイカー
  • 同族感染ウィルス
  • 仮面竜×3枚
  • 異次元の女戦士
  • ホルスの黒炎竜LV8
  • ホルスの黒炎竜LV6×2枚
  • ホルスの黒炎竜LV4×2枚
  • ドル・ドラ
  • サファイアドラゴン×2枚
  • クリッター
  • キラー・スネーク
  • エレメント・ドラゴン×2枚

魔法 / 16枚

  • 抹殺の使徒×2枚
  • 天使の施し
  • 大嵐
  • 早すぎた埋葬
  • 光の護封剣
  • 強欲な壺
  • 強奪
  • 我が身を盾に×2枚
  • ライトニング・ボルテックス
  • スタンピング・クラッシュ×3枚
  • サイクロン
  • いたずら好きな双子悪魔

罠 / 6枚

  • 竜の逆鱗×2枚
  • 破壊輪
  • 聖なるバリア-ミラーフォース-
  • 激流葬
  • リビングデッドの呼び声

2004-09~2005-02

《ホルス》の強さ

それは「相手の魔法を無力化できること」に尽きるでしょう。

このように、《ホルス》シリーズは共通して相手のなんらかの魔法カードへの耐性を持っています。これによって、直接相手のカードを破壊しなくても、無効化することによって役に立たないカードとさせることが出来るのが強力です。また、レベルアップする条件が「戦闘破壊」であるため、相手の《スケープ・ゴート》のような防御カードも、有効に利用する事ができます。強力なコンボである《スケープ・ゴート》+《強制転移》をまったく受け付けないのも便利ですね。

魔法カードに強い《ホルス》シリーズなので、残る敵は「罠」と「効果モンスター」の2つです。その他のカードでそのどちらかへの対策を施していくことが《ホルス》デッキの基本となってきます。

罠と効果、どっちを潰す?

これは判断が難しいところです。モンスター効果には《同族感染ウィルス》や《魔導サイエンティスト》《異次元の女戦士》のような強力で、かつ必須レベルのモンスターカードが固まっているため、できることならば効果モンスターへの対策を重点的に行って活きたいところなのです。

しかし効果モンスターを永続的に無効化できる《スキルドレイン》では《ホルス》の効果をも無効化してしまい、本末転倒です。もうひとつの方法に《天罰》がありますが、これ手札コスト1枚を必要とする上に一度しか使用できないため、どうしても使いにくいです。

それに比べると、罠カードの対策は簡単です。《王宮のお触れ》でノーコストで、かつ永続的に効果を封じる事ができるからです。その《王宮のお触れ》を除去してくる《大嵐》や《サイクロン》は《ホルス》の効果で無効化できるのですから、とても理にかなっています。《炸裂装甲》や《激流葬》など、ノーコストで強力な除去罠を封じてしまえば安心して攻撃を仕掛ける事が出来るため、《ホルス》を使うのならば《王宮のお触れ》を併用していくのがもっとも《ホルス》を扱いやすいと思います。

また《我が身を盾に》を使うのも便利です。これならばモンスター効果や罠という区切りなく《ホルス》を破壊するカードに対して発動できるため、融通が利くからです。もっとも「破壊」ではない《魔導サイエンティスト》や《異次元の女戦士》を止めることは出来ないのですが…。

《王宮のお触れ》

このカードがフィールド上に表側で存在する限り、このカード以外のフィールド上の罠カードの効果を無効にする。

《我が身を盾に》

相手が「フィールド上モンスターを破壊する効果」を持つカードを発動した時、1500ライフポイントを払う事でその発動を無効にし破壊する。

「レベル」アップをサポートしよう

《ホルスの黒炎竜 LV6》は生け贄1体を必要とする上級モンスターです。特別な条件召喚モンスターではありませんが、それでも生け贄を捧げて出すよりは《ホルスの黒炎竜 LV4》を使ってデッキから特殊召喚したいところです。レベルを挙げる条件は前述したとおり「戦闘破壊」が条件となっています。しかし《ホルスの黒炎竜 LV4》の攻撃力は1600ポイント。戦闘破壊をそう頻繁に出来るかといえば、微妙な攻撃力です。《魔導戦士 ブレイカー》や《同族感染ウィルス》相手では相打ちですし、《魂を削る死霊》は倒せません。《異次元の女戦士》にいたっては除外されてしまいます。相手が必ず《スケープ・ゴート》を発動してくれるわけでもない以上、何かしらの戦闘破壊サポートカードが必要となってくるでしょう。

戦闘破壊をサポートするカードの代表格は《収縮》です。このカードを使えば《ホルスの黒炎竜 LV4》で 《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》を倒すことが出来ます。《魂を削る死霊》も対象に指定することで破壊することができます。似たような効果で《突進》がありますが、これでは魔法効果を受けない《ホルスの黒炎竜 LV6》に対して使う事ができないので、相手モンスターを対象にすればよい《収縮》を使うのが最もサポートに適しているといえるでしょう。《王宮のお触れ》を使う場合でも、速攻魔法である《収縮》は問題なく投入する事ができます。

弱点と対策

「破壊」するカードに対しては《我が身を盾に》で、「罠」は《王宮のお触れ》で対策ができました。「魔法」に対しては元々強いです。しかし「破壊」ではない除去に対しては対処が及びにくいです。《異次元》系や《魔導サイエンティスト》は天敵といえるでしょう。《ホルス》デッキを相手とする場合、それらのカードを多めにデッキに入れることで戦うのがラクになると思います。

《ホルス》を使う側も、《異次元》などに《ホルス》が除去されて終わってしまうような《ホルス》に任せた構成にするのではなく、《ホルス》のほかに切り札と出来る「二の太刀」を用意しておき、バランスよく攻撃できるように仕上げていくといいでしょう。